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銅の超抗菌性能

銅イオンはさまざまな菌に超抗菌性能を発揮します

銅イオンの微量金属作用には、細菌類を死滅させる性質があります。日本銅センターでは、銅の超抗菌性能を科学的に実証するため、さまざまな実証試験に積極的に取り組んでいます。
ここでは、これまでに実証されたすぐれた銅の超抗菌性能をご紹介します。

抗菌特設サイトはこちら
http://copperbook.jp/koukin/news-top.html

菌やウイルスにも超抗菌性能を発揮

銅及び銅合金の新型コロナウイルスに対する不活化効果 / ウイルス 

日本銅センターでは、奈良県立医科大学の協力を得て、銅及び銅合金の「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化効果」について評価試験を行いました。

試験材は銅(無酸素銅C1020)及び銅合金(黄銅2種C2680)、比較の為にステンレス鋼(SUS304)の3種類とし、結果、銅及び銅合金はわずか10分間でウイルス感染価の検出限界値まで減少、この時比較材に対する減少率は99.997%でした。

不活化効果についての試験結果の詳細は右図の通りです。

なお、本試験の詳細は奈良県立医科大学のこちらのWebサイトでもご確認いただけます。
※PDF版ダウンロードはこちら

○試験方法:ISO21702(プラスチック及びその他の非多孔質表面の抗ウイルス活性の測定)に準じる
○試験開始時のウイルス感染価:2.93×105 (PFU/sample)
○検出限界値:5.00×100 (PFU/sample)
○検出限界時の比較材に対する感染価減少率:99.997%
○試験協力:奈良県立医科大学


O-157に対してすぐれた効果を発揮 / O-157

1996年に猛威をふるい、外食産業の売上が急落するほどの混乱を巻き起こしたO-157。このO-157に対し、銅が効果を発揮することが試験によりわかっています。
試験はシャーレにO-157の菌を含んだ寒天を入れ、その上に3cm角の銅板・黄銅板を置いて菌を培養、観測しました。その結果、銅板・黄銅板のまわりでは菌の繁殖がくい止められ、真下では菌がまったく発育しないことがわかりました。
季節を問わず、身近な食品を通じて感染するO-157の怖さは、風化させてはならない問題です。

超抗菌性能試験の画像

試験協力:(財)東京顕微鏡院・食品衛生科学センター

インフルエンザやノロなどのウイルスにも不活化効果 / ウイルス 

A型インフルエンザウイルスを銅(C1100)の表面に接触させ経時的に感染数を測定した結果、1時間後に接種量の75%相当のウイルスが死滅し、6時間後は0.025%まで減少しました。
さらに最近はノロウイルス(ノロ代替ウイルスのネコカリシウイルスで実験)に対する不活化にも有効と判明しています。


 

インフルエンザA型

A型インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス試験を実施。
銅(C1020)の表面にウイルスを接触させ、経時後の感染価を計測した結果、銅の表面のウイルスは、右記グラフの通り30分作用後に検出限界値未満まで減少しました。 銅(C1020)がインフルエンザウイルス対する感染性不活化に効果的であることが確認されました。

           

※検出限界値 5.0×101 PFU/試験片

恐いレジオネラ菌に、銅の超抗菌性能を発揮 / レジオネラ菌

近年、銭湯や温泉施設などでレジオネラ菌に感染し、命を落とすというニュースが世間の注目を集めました。
レジオネラ菌はもともと自然の中の土や水に生息する細菌で、循環式浴槽、給湯設備などの水や堆肥などから感染するとして恐れられています。このレジオネラ菌に対する銅の超抗菌性能試験を行いました。
試験は2つの方法で行いました。ひとつは超抗菌効果の試験で、銅(C1020)と黄銅(C2600)とステンレス銅(SUS304)の各試験片にレジオネラ菌液を接種すると、銅および黄銅では作用時間に比例し菌数は減少しました。一方、ステンレス銅では減少はわずかでした(左図)。次に、レジオネラを培地に塗抹した後、各試験片を中央に置き発育阻止効果を調べてみると、銅および黄銅では
、5.3~6.0㎝の大きな発育阻止円(ハロー)の形成が認められました。(右図)。一方、ステンレス銅では接触した面での菌の発達阻止やハロー形成は起こりませんでした。
これらの試験から銅及び銅合金はレジオネラ菌に対してすぐれた超抗菌性能を発揮することが実証されました。

 

 

クリプトスポリジウムに対する超抗菌性能 / クリプトスポリジウム

"クリプトスポリジウム"という名前をご存知でしょうか。クリプトスポリジウムは、水や人の手を介して感染し、激しい腹痛や下痢を引き起こす病原菌微生物のひとつです。近年、日本でも集団感染を引き起こし問題になりました。
この微生物は塩素に強く、水道水の塩素消毒でも死滅しないため、たいへん恐れられています。日本銅センターではこのクリプトスポリジウムに対する銅の超抗菌性能を調べる試験も行っています。
試験結果では、銅イオンによってクリプトスポリジウムのオーシスト(クリプトスポリジウムを覆う硬い殻)の形がくずれたり、壊れたりする事を発見。この銅イオン処理をしたオーシストをマウスに感染させて試験したところ、クリプトスポリジウムの感染性が不活性化する事がわかりました。
現在はまだ試験レベルですが、今後はこの結果をより実用的に生かすため、さらなる研究を計画しています。

試験協力:(財)北里環境科学センター

従属栄養細菌にも大きな効果

給配水系の水道管を通る水中には、従来の培養条件では検出されず、低い栄養培地に遅れて発育してくる細菌(従属栄養細菌)があります。これを放っておくと、そのうちいわゆる"日和見感染"を起こす病原菌が増殖することが明らかになっています。日和見感染を起こしやすい患者を多く収容する病院では大きな問題となります。そこで、給水用銅管の抗菌活性に注目し、水道水中に棲息する従属栄養細菌にも活用できるかその他の樹脂管と比較しました。この結果、樹脂系配管材では水道水を充填後、従属栄養細菌は経時的に増加したのに対し、銅管では減少しつづけ、7日後には100分の1にまで減少しました。銅管が水道水中の従属栄養細菌の発育を抑制することが立証されたのです。

給水用銅管の従属栄養細菌に対する超抗菌性能のグラフ試験協力:(財)北里環境科学センター

抜群の超抗菌性能をもつ銅管/ 水道水に効果

銅管は多くの高層ビルやマンション、一般住宅で給水・給湯配管として採用され、私たちのライフラインを支えています。配管材として世界の国々で使われている銅管には耐震性、経済性、リサイクル性などにすぐれた特徴がたくさんあります。さらに銅の超抗菌性能で衛生的に使えるということも大きな特徴です。 クリプトスポリジウムと従属栄養細菌への超抗菌効果は前ページでご紹介しましたが、銅管では大腸菌への超抗菌効果も試験により実証されています。試験に使ったのは、銅管、塩ビライニング銅管、ステンレス銅管、ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、硬貨塩ビ管、ポリブテン管の7種類の管材。それぞれの管材に大腸菌を含む菌液を入れ、数時間おきに検査しました。 試験の結果、銅管には大腸菌の生存数を低下させる働きが認められました。一方、銅管以外の管材には、このようなはたらきは見られませんでした。この結果から、銅管は他の金属や樹脂系の管材にくらべ、すぐれた超抗菌効果をもっていることが実証されました。 銅の超抗菌パワーは毎日使う水道に生かされ、私たちの健康で衛生的な暮らしを支えているのです。

  • 各管材の大腸菌に対する超抗菌性能試験結果のグラフ
  • 水道の画像

    貯水槽の水質管理対策で多くの学校が直結給水への切り替えを開始 その際、安心して使用できる銅配管が採用され日本銅センターも協力しています (写真:東京都日野市南平小学校)

環境・生態系を守る銅パワー / カワヒバリガイ

農業用水や水力発電所などの利水施設でやっかいな存在となっている『カワヒバリガイ』。中国からの外来生物で殻長2〜3cmの小さな貝ですが、大量に発生すると配管を詰まらせるなどの問題を起し、駆除には時間と経費がかさみます。そこで、電力中央研究所と日本銅センターが協力し、銅の超抗菌性能を生かしてカワヒバリガイの付着防止が可能なのか実験を行いました。
実験が行われたのは、2005年にカワヒバリガイの生息が確認された群馬県の大塩貯水地。池を管理する鏑川土地改良区の協力を得て、ポンプで汲み上げた湖水を銅管・ステンレス管・樹脂管へ同一条件で通水し、貝の付着具合を約1年間かけて比較検討しました。
その結果、塩化ビニル配管とステンレス配管には多くのカワヒバリガイとともにコケムシが付着してしまいましたが、銅配管にはほとんどカワヒバリガイが付着しないことがわかりました。この実験報告をもとに、利水施設の配管はもちろん、水量管理センサーや什器などの破損、誤動作を防止するための保護管の先端部にも銅を使用するなど、効果的な銅の活用方法を検討し、カワヒバリガイ対策への実用化が進められています。

環境・生態系を守る銅パワーの画像

身近な所で威力を発揮する銅の超抗菌パワー / 身近な銅の超抗菌パワー

銅製ドアノブの抗菌効果の比較

このほど、北里大学では、ドアノブの金属素材による抗菌性能の比較を発表。ステンレス製に比べ、青銅製、黄銅製のものがきわめて高い抗菌性能を持つことが確認されました。

ドアノブの抗菌効果のグラフ、ドアノブの画像

「銅製ボールペン」のミラクルパワー

病院内で行ったもうひとつの実験があります。ボールペンを使った実験です。
新生児室にグリップ部分を銅で覆ったボールペンと普通のボールペンを設置し、グリップ部分の接触表面の細菌汚染を調べた結果、MRSAなどに対し、銅製ボールペンが大きな超抗菌性能を発揮することが立証できました。
また、銅管を30分間握った手の平の細菌数を調べた結果、銅管に触れた手の平の細菌数が31~68%の割合で減少したことから、銅合金は接触した皮膚面にも抗菌効果を与えることが分かりました。

MRSA培養結果の画像

蚊の発生を抑える超抗菌パワー / デング熱・ジカ熱…、蚊・蚊…

夏になると悩まされる蚊。刺されるとかゆいだけでく、最近では蚊が運ぶ感染症が恐れられています。実験結果から、蚊の発生を抑えるために銅が効果を発揮することがわかりました。
まず一般的な蚊であるヒトスジシマカ(ヤブ蚊)の幼虫(ボウフラ)を銅製の容器とガラス製の容器で飼って比較したところ、銅製の容器のボウフラはすべて羽化せずに死亡。しかし、ガラス製の容器では9割が羽化して蚊になりました。

次に発生抑制に銅が役立つかについて野外試験を実施しました。銅板を入れた試験区にはヒトスジシマカ幼虫がまったく発生していないのに対し、入れていない対照区には多くの幼虫が生じました。
これにより銅にはデング熱、ジカ熱を媒介するヒトスジシマカの発生を抑える効力があることが実証されました。

  • 繁殖の画像
  • 下水処理場の画像
  • 池(ビオトープ)の画像

いろいろな銅製抗菌グッズ / 銅製の抗菌グッズ 

健康や衛生に関心の高い現代、銅の超抗菌性能を生かしたさまざまな抗菌グッズが発売されています。
身近なところから取り入れて、銅の超抗菌パワーをぜひ実感してみてください。

  • ぬめりが出にくく、目が詰まらない

    銅製三角コーナー、ストレーナーの画像

    銅製三角コーナー、ストレーナー

  • 銅繊維や銅微粒子で除菌・消臭

    抗菌スポンジ、たわしの画像

    抗菌スポンジ、たわし

  • 蚊の発生を防ぎ、花も長持ち

    花立ての画像

    花立て

  • 銅繊維入りで消臭・水虫を予防

    ソックスの画像

    ソックス

  • 銅微粒子入りでカビを防ぐ

    軽石の画像

    軽石

  • 超抗菌作用で接触感染対策

    ドアノブ、手すり、トレーの画像

    ドアノブ、手すり、トレー