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1
銅の温度上昇に対する伸びについて(グラフなど)何か資料がありませんか。
銅の線膨張係数は、17.7x10-6/Kです。たとえば、60℃上昇した場合、1000mmあたり17.7x10-6x60x1000=1.02mm。すなわち60℃で1mあたり1mm伸び縮みします。この値は鉄の1.5倍です。
2
銅管を曲げ加工するとき、加熱すると柔らかくなり曲げやすくなると聞いていますが、何度くらいでどのくらい柔らかくなるのか教えてください。
約400℃で機械的性質が大きく変化します。バーナーで加熱して曲げ加工している加工業者もいますが、加熱しすぎ等が懸念されます。曲げ加工可能なパイプ(質別O材、1/2H材)もありますので、パイプ購入先と一度ご相談ください。
3
蒸気配管にC1220T材を使用します。銅管の熱伸びを計算したいのですが、温度変化が、-10℃→190℃となります。その場合の線膨張係数と熱伸び計算方法について教えてください。
銅管の線膨張率は、17.2x10-6/Kなので1m=1000mmの場合、1000x17.2x10-6x(190-(-10))=3.44mmとなります。
従って、1mあたり3.5mm程度伸び縮みするとお考えください。
4
銅鍋で卵を焼くと、どうして鉄やアルミのフライパンよりおいしく、ふっくら出来るのでしょうか。
検索していくと熱伝導率が非常に影響あるように思えますが、味の部分でも違いがあるように思えます。銅の成分が卵に付着して味が変わるのでしょうか。もしくは卵の成分と銅が化学反応を起こして味が変わるのでしょうか。
人形町などの卵焼き専門店で銅を使用していますが、これは伝熱の良さにより均一に加熱でき、加熱ムラが生じないためです。あんこ、ジャムやカルメ焼などもこのために銅を使って調理しています。
上記により、ふっくらと仕上がると考えます。
味覚に対し極微妙に影響するかも知れませんが、そのような研究に関する知見は持っておりません。
5
銅鍋は熱伝導率がいいと言われていますが、どんなお料理に向いているのでしょうか。(一般にはいま保温性の高い鍋の方が人気がありそうですが…)。熱伝導率がよいということは冷めやすいということなのでしょうか。また、卵焼き器が銅がいいというのはどういった理由からでしょうか。
銅の特徴の一つに熱や電気を伝え易いということがあります。銅鍋は熱伝導が良いため、より均一な加熱が可能になります。このため、厚焼き卵、カルメ焼きなどが上手くできます。また、この特長を活かしてあんこやジャムも銅鍋で造ります。均一な加熱は料理の基本でフランス料理なども銅のフライパンが使われています。
6
冷凍機等に使用している銅管のフレア部が温度変化によって、どの程度広がるものか教えてください。
配管の材質:C1220
フレアサイズ:3/8、3/4、1/4
温度差:40℃前後
冷凍機の点検中に室温20℃で、N2による加圧試験真空試験を実施しても、漏えいがなかったが、冷凍機運転中に、温度60℃程度の潤滑油が流れると、若干油がフレア継手部より漏れてしまいました。温度変化によって、膨張し隙間から洩れてしまったものと考えましたが、フレアのオス・メスが両方膨張してしまったら、隙間は発生しないのかと、悩んでおります。
ルームエアコンなどでフレアー継手は多く使用されていますが、温度変化は貴職ケースよりもっと大きいと思われます。従って、リークの原因は温度変化によるものではなく別にあると考えます。因みに線膨張率は、17.2x10-6/Kですが、フレアでは拘束されているので、これによって動くことはないと考えます。
7
銅管になまし(熱処理)を行うことにより、素材が柔らかくなると思うのですが、銅の結晶状態はどのように変化しているのでしょうか。素材はH3300です。小生の方で銅管にSnめっき処理を実施しておりますが、熱処理の有無、なましの状態により銅管に析出するSn膜が変化(スケール除去済み)しております。銅管へのSnめっきについての技術資料等もありましたら、ご紹介いただけましたら幸いです。
焼鈍によって結晶粒径が大きくなります。
Snめっきを熱処理するとSnが拡散し、一部銅との合金層を作ると考えますが、詳しい資料は残念ながらありません。
8
現在、銅管の質別のグレードによって性質がどのように変わるのかについて調べております。
「O、OL、1/2H、Hはやわらかさやなましの程度の違い」とのことですが、なましを行うことで銅管のどの様な性質が変わるのでしょうか。また、なましをより強く行っているのはOとHのいずれになるのでしょうか。
銅管の質別の違いによって、水や水溶液への銅の溶出量が変わるということはありますか。
O、OLはなまし材で手曲げできる位柔らかい材料です。(22.22以下の径でコイル品)Hはハード材で最も硬くて強度のある材料で曲げ加工はできません。1/2Hは半硬材とも呼ばれ、なまし材とハード材の中間位の硬さでベンダーで曲げることが出来ます。(冷媒直管はこれが主)
なます(焼鈍)ことで機械的性質(耐力、引張強さ、伸び、硬さ)が変化します。1/2Hの製法は、H材をなましてO材にしてから再度加工硬化させて調整します。
基本的には、銅の溶出は質別には作用されないと考えます。但し油分が残っていると影響しますので、焼鈍で油分が飛んだO材の方が当初は溶出し易いかもしれません。
9
銅の保温性について教えてください。また、他金属との比較も教えてください。
銅は伝熱性能が高い金属です。銀と同じように熱や電気をよく通す性質があります。
保温材には逆に熱を伝えにくい材質(例えば空気)が使われます。
従って、銅は保温性が極めて低いと考えます。
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