人と銅の
長いおつき合い
銅は、人間が初めて手にした金属なんだよ。およそ1万年も前に。
それから今日まで銅はどのように人とかかわってきたんだろう?
人間が最初に手にした金属
古代文明は、石器時代から銅・青銅器時代、鉄器時代の順で発達したと言われているよ。銅は人間が初めて使った金属なんだ。銅が初めて使われたのは紀元前7,000年~8,000年頃と言われているよ。ピラミッドなどでみんなもよく知っている古代エジプトでは紀元前5,000年頃、日常生活の器具や装飾品、武器などに使用していたことが知られているよ。その後は、銅にスズや亜鉛を混ぜ合わせた合金が作られ、貨幣などにも使われるようになったんだ。
日本では
弥生時代の古墳から見つかった銅鉾、銅鏡、銅鐸などから考えて日本で青銅器時代がはじまったのは今から約2,000年前頃。その頃、銅は日常生活の道具や武器として使われていたんだよ。古くから銅が使われたのは、日本各地で自然銅が見つかり、わりあい簡単に製造することができたからだと言われているよ。
銅鉱石が初めて見つけられたのは、西暦698年のこと。周防の国(今の山口県)と因幡の国(鳥取県)から銅の鉱石を朝廷に献上したことが伝えられているんだ。西暦708年には、献上された銅を使って貨幣(和同開珎)が作られたんだよ。その後、飛鳥の遺跡から掘り出された「富本銭」は和同開珎よりも古いことがわかったんだ。奈良時代や平安時代には青銅の仏像や工芸品がさかんに作られたんだ。西暦749年には東大寺大仏が作られ、銅の製造・加工技術が大きく伸びた時代だったんだよ。室町時代になると銅の産出量が増え、中国、スぺイン、ポルトガル、オランダなどとの貿易が開かれ、鉄砲や貨幣、日常生活用具などに多くの銅が使われたんだ。江戸時代の中頃になると銅は金銀に代って長崎貿易の中心になったんだよ。
銅鏡
銅鐸
富本銭
東大寺大仏
明治から現在へ
明治になると近代設備による機械化された銅の製造法がはじまったんだ。電気の普及により、電気をよく通す銅の特長が注目され、用途が大きく広がったんだよ。第二次大戦後は、生活が豊かになるとともに、広く電源開発、造船、車両、建築、電気機器、通信機器をはじめ、生活用品に多く使用されるようになったんだ。現在、日本は、量、品質ともに世界でも有数な銅製品の生産国。
主な用途は電気、電子部品として使用されることが多く、とくに最近では銅の"抗菌特性"が注目され、さまざまな分野で細菌やウイルスなどをやっつける抗菌製品が登場しているよ。
H-Ⅱロケット