銅に関するQ&A銅について知る
超抗菌性能
Q1
花瓶に銅を入れていたら花が少し長持ちすると何かの本で読んだのですが、どのような効力で長持ちするのですか。殺菌作用があるからですか。
A
銅の微量金属作用と言って優れた抗菌効果があるためです。花瓶の花がいたむのは、水が腐ることに大きく影響されます。銅イオンが僅かにあれば、花瓶の水の雑菌発生を抑えることができます。これによって、花を長持ちさせることができる訳です。
Q2
硫酸銅、酸化第一銅、酸化第二銅などを冷蔵庫に入れておくと、冷蔵庫内の嫌な臭いが半日もしないうちになくなります。この消臭効果のメカニズムはどのように理解すればよいのか、教えてください。
A
銅にはご存知のように微量金属作用があり、超抗菌性能を発揮します。恐らく冷蔵庫の中でもこの働きにより雑菌を抑え、腐敗による臭いの発生を防ぐと考えます。これは、10円玉を靴の中に入れ、防臭と水虫対策に役立つのに類似していると考えます。ただ半日で消臭するとのレポートより吸着性も多少あるように思えますが、この点は分かりません。
Q3
銅板で山菜処理していますが、有害か、無害か、食品として問題ないか教えてください。
A
結論から言って有害にはならないと考えます。ゆでた野菜や枝豆を鮮やかな色に仕上げるために銅を使用することはプロの料理人の技の一つです。銅は栄養機能食品として0.5~5mg/日の摂取が認められています(厚生労働省平成15年12月)ので、問題ないと考えます。
Q4
給湯機の飲用は余りよくないということを聞きました。海外では銅がガンの発生になるとかの話もあるようですが、日本ではどうでしょうか。
A
欧米の給水管の80%以上は銅管を使用しており、古くは5000年前のエジプトで給水用として使われ、人類がその水を飲んできていますので安全が非常に長い期間実証された管ということが言えます。更に銅そのものが栄養機能食品として厚生労働省が認定しています。5mgまでが適量とされています。この量は、0.5ppm(かなり濃い銅濃度のお湯)だと10Lにあたります。また、銅は必須金属になっていて血液を造ったり、血管の壁を若々しく保つ働きがあります。癌との因果関係は聞いたことがありません。甲南大学の杉本教授の研究では、アルツハイマーに対して銅が予防、治療に有効との結果を得ています。
Q5
水質検査にて基準値以上の銅が検出されました、町営住宅(平成6年竣工)、上水使用、浴室の水栓より検出、ガス給湯機(単管)、浴槽落込み給湯、上水配管はHIVP、給湯配管は被覆銅管(M)です。原因はどのようなことが考えられますか。また、基準値以上の銅を摂取した場合の人体への影響について教えてください。上水に問題がある場合、どのような成分が影響を与えているのでしょうか。
A
恐らく、滞留していた水を分析した結果と考えます。流水では、水質基準をオーバーすることはまずないと推測します。水質的には、酸性サイドで銅が溶解しやすいです。しかし、人への害はありません。銅は、栄養機能食品として厚生労働省で認められ、1日あたり0.5~5mg摂取することが健康を維持するとされています。この量は、水質基準Cu 1ppmの水を5L飲むことに相当します。従って、銅の摂取量から勘案して問題ないと考えます。
Q6
銅鍋で調理するとまろやかな味に仕上がると聞いたことがあり、銅鍋を購入したいと思っているのですが、銅鍋でカレーを作り、それを3日間銅鍋の中で保管してからカレーを食べた方が、急性銅中毒症になったというお話が載っていて、驚きました。銅製やかんの中に何日も放置した水やお茶などをもし飲んでしまったら具合が悪くなるのでしょうか。鍋はメッキ加工されていると思いますが、メッキがはがれてしまった鍋などで調理したものを口にしたら具合が悪くなるのでしょうか。毒なのでしょうか。
A
銅鍋に限りませんが、調理したものは食器に移して保存した方がよいと考えます。また、メッキがはがれてしまった鍋での調理はおすすめしません。これは、金属成分が酸などで溶出して味に影響するからです。書かれているような中毒症状は考えにくいですが、鍋の場合も銅イオンが溶出しますので味や色(青くなる)が変わる可能性があります。銅鍋や銅製やかんから溶出する銅イオンは恐らく1ppm以下と考えますが、このお湯等を1リットル飲んだとしても1mgの摂取量にしかなりません。また、銅は栄養機能食品として厚生労働省で認められており、1日に0.5~5mg摂取することで健康を保つと定められています。従って、銅の摂取量からみると、銅鍋や銅製やかんについての心配は全くないと考えます。欧米の人が古くから銅製パンや鍋製ケトルを使ってきて、特にそのような事例がないことからも明らかと考えます。
Q7
アクセサリーを銅と銀で作っているのですが、指輪など長時間、指に接している場合などの安全性は大丈夫なのでしょうか。銀などに比べると、金属アレルギーなどに若干なりやすいとは思うのですが、どうでしょうか。
A
銅は金属アレルギーを起こしにくい金属と言われています。
しかしながら人によっては銅に対して敏感に反応する場合がありますので、症状が見られるときは、専門医の診断にしたがってください。
しかしながら人によっては銅に対して敏感に反応する場合がありますので、症状が見られるときは、専門医の診断にしたがってください。
Q8
銅の酒器を使っていますが、銅と酒(アルコール)など反応して、有害なことはありますか。銅は酒器に使っていいものでしょうか。安全、感性的面から教えてください。
A
- 日本酒を温めるちろりは銅製のものが多く、酸化が進むというトラブル事例は聞いたことがありません。
- ウイスキーなどの蒸留釜は、古くから銅製で、それが当たり前になっています。
- 銅製のビアマグは、冷えたビールとすぐに同じ温度になり飲み心地を良くします。 以上のことより、酒器に銅を用いることは安全で伝統からも全く問題ないと考えます。
Q9
草木染めで『酢酸銅』という媒染の仕方があるのですが、この酢酸銅というのは環境・人体には無害な物なのでしょうか。
A
お酒でも何でもそうですが、量を過ぎれば毒になります。酢酸銅は次の通りです。酢酸銅のラットのLD50(50%致死量)は710mg/kg、塩基性酢酸銅のマウスのLD50は760mg/kgとなっています。300mg/kg以上あれば普通物になりますが、旧薬事法では劇物指定です。しかし、染物の薬剤に使って繊維に残る程度であれば全く問題ないと考えます。
Q10
銅管の酸化は無害でしょうか。
A
銅管内面は酸化しますが、酸化銅や亜酸化銅の形で蛇口から出てくることはありません。表面が酸化しても非常に微量な銅イオンとして水に含まれるだけです。銅は栄養機能食品として認められていて、0.5mgから5mg、1日に必要とされています。銅イオンの水質基準は1mg/L(1ppm)ですが、もしそちらのお水がこの上限値であったとしても、5L飲んでやっと必要量に届く程度なので全く問題ないと考えます。(但し通常、銅管を使った水道水の銅イオン濃度は0.1~0.2mg/L程度ですが。)
Q11
食品衛生法にからみ、食品に触れる部分には錫めっきや銀めっきがなされていると思いますが、中には処理をしていない銅そのままの食器もあります。錫めっき等の表面処理は必ずしなければいけないのでしょうか。錫めっきなどがしてあってもある程度の銅イオンが溶出されるのであれば、めっき処理をしていない方が銅イオンの効果を期待出来るということでしょうか。また、銅の抗菌効果で医療向けのドアハンドル等の資料も拝見いたしました。こちらのハンドル等は表面処理をしてあるのでしょうか。同様に、処理をしての抗菌効果なのかを教えていただければと思います。
A
- 食品衛生法において「器具若しくは容器包装又はこれらの原材料一般の規格」及び「器具及び容器包装の製造基準」によれば、食品に接触する部分を全面錫めっきまたは銀めっき、その他衛生上危害を生ずるおそれのない処置を施さなければならない。但し固有の光沢を有し、かつさびを有しないものはこの限りでないと。食器の場合、ただし書きのようにはならないため、国内ではめっきは必須と考えます。
- めっきを施した場合、品質にも寄りますが銅の抗菌効果を期待することは難しくなります。但し、伝熱等は銅の特長は活かせますが…。
- ドアハンドルなどの場合、クリアなど変色対策として表面処理をすると抗菌効果が失われます。従って変色対策がキーと考えます。
Q12
銅の淡水魚への影響を教えてください。金魚を飼っていますが、水槽内に藻ができることもあり、銅を入れてみてはどうかという話があります。一方、淡水魚は銅の許容度が低いものもあり、わざわざ入れないほうが良いという意見もインターネットで見ました。実際に、どれくらいの量だったら良いものか、許容度とはどういったポイントで試算していけば良いものか、ご存じでしたら教えてください。
A
淡水魚でも銅に非常に敏感なものとそうでないものがいます。あゆなどは非常に弱い魚です。銅は、魚の病気の薬としても使われていますので、量次第で文字通り毒にも薬にもなります。藻の発生を防ぐ作用がありますので水槽の管理にはとても有効です。そこで方法ですが、10円玉を1枚入れてしばらく様子を見る。→まだ藻が発生するようだったらもう1枚追加する。といった具合に、とにかく慎重に様子を見ながら加減することをお薦めします。
Q13
養殖用に使用するダムが銅鉱山跡地ということで、水中に含有される銅の安全性について懸念しております。そこで恐縮ながら銅抜きの必要性と、もし必要であればその方法について教えてください。
A
- いわな、さけ、ニジマス等の養殖では、マラカイトグリーンの代替として銅繊維を投入し銅イオンによってミズカビ病やエラ病の予防対策をしています。
- 当該ケースでは、銅鉱山跡地からの銅分を含んだ水を利用するので、上手に濃度コントロール出来さえすれば理想的な養魚施設に成りうると考えます。
- 目安として適応する銅濃度は、6~10ppbというデータがあります。実際の供給水の銅濃度測定を何度か行い、平均濃度やばらつきを調査することから始めたらいいのでは…と考えます。非常に薄い濃度なので、もし供給水がもっと高い銅濃度値であれば別系統からの水で希釈する必要があると考えます。
Q14
約300Lの湯船に殺菌のため銅桶を入れてお風呂に浸かっています。2、3日銅桶を入れっぱなしにしておりビタミンC(アスコルビン酸)を5gほど混ぜて塩素除去しながら入浴しております。この場合、この湯船の銅桶は酸化されて、より多く水に溶けだし皮膚から吸収される可能性があるでしょうか。また、その吸収される量は銅中毒を起こす可能性はあるでしょうか。
A
酸性が強まるほど銅イオンの溶出は増しますが、銅イオンが皮膚から吸収されて人体に悪影響を与えるという事例は聞いたことがありません。それは以下の例から分かります。
- 銅成分を多く含んだ温泉にふいご温泉(徳島)、田子川(青森)、磯部(群馬)などがありますが全く問題ない点。
- 給湯機の伝熱管が銅管で出来ていてお湯には元々少なからず銅イオンを含みます。
- 銅には抗菌効果があり、お湯の中のレジオネラ菌や雑菌を減少させるので当該試みはこの点でよい働きをすると考えます。
- 注意が必要なのは、銅イオンが高くなると浴槽壁面に垢や石鹸に含まれる脂肪酸と反応し青いこびり(銅石鹸)を生成する可能性がある点です。
Q15
庭の家庭菜園に水道水を使っていたのを雨水を利用しようと考え、雨水タンクを設置しようとしたところ、インターネットで販売している業者に銅製の屋根から銅が溶け出し毒だけど大丈夫なのか?と言われ不安を感じてこちらに質問をしました。足尾銅山?の事件などが頭をよぎり不安になりました。貴ウェブサイトの説明を見ると安全な様に感じますが、屋根からの雨水タンクの水を長年畑に撒けば、環境基準以上の銅が蓄積されるのでは?また、作物から間接的に摂取する危険性は?と考えてしまいました。雨水タンクを設置し、銅板の屋根を伝ってきた雨水を利用しても大丈夫でしょうか。
A
銅そのものは、人にとって毒ではありません。チョコレートや魚貝類に多く銅は含まれていて必須金属で栄養機能食品にもなっています。また、足尾銅山については、硫化水素やヒ素などの不純物によるもので現在の技術レベルでは全て解決済です。今回の雨水タンクですが結論から言えば問題ないと考えます。微量に銅を含んだ雨水は、腐敗しにくく藻の発生や蚊の羽化を抑える働きがあります。ゴルフ場でもこれを利用して雨水タンクに黄銅繊維を入れて芝生への散水などに使っています。