銅に関するQ&A銅について知る

超抗菌性能 2

Q16
ホルンを吹いたら手が緑色になって、腹痛も起こりました。管楽器をやっていた知人に聞いたところ、それは錆で、よく洗わないとお腹が痛くなるとのことでしたが、対処法が分からず困っています。
A
BrassバンドのBrassは真鍮を意味し、ホルンも真鍮でできています。真鍮の表面が錆びると緑青が生じ、白い布などで磨くと緑色が現れ緑青を確認できます。Brassバンドの楽器は、このようにほとんど真鍮ですが、特にこのような事例は伺ったことがありません。また金管楽器の口の部分も真鍮や他の銅合金製で、直接唇に触れますが、特に問題になったことがありません。
また、緑青の安全性については、厚生省(現厚生労働省)により昭和56年から3年間動物実験を行い、昭和59年に「無害に等しい」と認められています。
詳しくは本ウェブサイト、銅の安全性「緑青」をご参照ください。
以上からお子様の腹痛と緑青が手に着いて口に入ったことは直接的には無関係だと考えます。 しかしながら人によっては、銅に対して敏感に反応する場合があるかもしれませんので病院とご相談ください。
Q17
一昨日浴槽にクエン酸40gを入れて入浴し、本日追い焚きをして浴槽を開けたら、お湯が青っぽいような緑っぽいような透明色になっていました。家族が入浴剤でも入れたのかと思い無用心に入浴してしまったのですが、調べてみると「青水」ではないかと思い、問い合わせすることにしました。湯はすべて流して洗剤で洗ったのですが、排水口の淵にまだ緑色が付着しています。
  • 15分間ほど入浴をしてしまった(その後シャワーで流しました)のですが、人体や皮膚に悪影響はありますか。
  • 緑色の付着物は放っておいて大丈夫でしょうか。
  • これから再度浴槽に湯をためて入浴して大丈夫でしょうか。
A
  • 2日前に投入したクエン酸により浴槽の水は強い酸性になっていたと推測します。これによって追炊き配管に使用している銅管から銅イオンの溶出が進み、高い濃度になったこと。再使用により湯に石鹸分や湯垢が残っていたこと。両者の反応により銅石鹸が生じ青い水になったと考えます。
  • ご心配については、
    a. 銅は金属アレルギーを起こしにくい金属と言われています。
    しかしながら人によっては銅に対して敏感に反応する場合がありますので、症状が見られるときは、専門医の診断にしたがってください。
    b. ティッシュにお酢を浸み込ませ30分位貼っておけば汚れはとれると考えます。(但し、事後水洗してください。)
    c. 通常通りお風呂はこのまま使用しても問題ありません。但し、クエン酸を添加するのは銅溶出を助長しますので、できれば避けた方がいいと考えます。
Q18
銅の抗菌性能について質問です。
  • 銅系統の材料は、素材のままではGパンのベルトのバックルのように色が茶色に変わってきますが、この状態でも効果があるのですか。
  • 多くの銅系統の材料は変色を嫌ってめっきがしてあると思いますが、この状態ではさすがに効果ないですか。
A
  • 銅及び銅合金は比較的容易に酸化して変色しますが、抗菌性能は維持されます。北里大学病院で、数年経過した銅及び銅合金表面で抗菌効果が持続されることが実証されています。
  • めっきに使う金属に依ります。亜鉛、銀ならば多少抗菌性能は残ると考えます。(常温では銀より銅の方が抗菌性能は強いです。)通常使うニッケル、クローム、錫では抗菌性能は失われると考えます。
Q19
銅イオンウール(金属タワシみたいなもの)を友人から譲り受け、池の藻やコケが分解し綺麗になるということで水中ポンプで銅イオンと池の水を撹拌する方法で試してみました。2週間程で池は綺麗になったのですが、泳いでた鯉が餌の食いつきが悪くなり元気が無く、背中が曲がったように見えます。銅イオンの問題なのでしょうか。
A
  • コイは非常に銅に弱い魚です。コイに対する銅の毒性値は以下の通りです。
    24時間TLm0.38ppm(24時間半数致死濃度)
    48時間TLm0.16ppm
    血液組織へ影響0.04-0.08ppm、血液蛋白組織へ影響0.1-0.5ppm、脱水素酵素反応の阻害0.12ppm
  • 一方、水質浄化(防藻)効果については、Cu0.08ppm程度で十分効果あるという報告があります。
  • 何れにしても現在コイの様子がおかしいと感じられるなら、直ちに銅繊維を取り除き一部水を入れ替えて出来るだけ希釈すべきと考えます。
Q20
金魚の採卵後、卵に水カビが生えて困ってネットでいろいろ調べていたら銅が良いと聞きました。100Lの水槽で孵化させていますが、銅材を入れるだけで効果がありますか。また、どのくらいの銅を入れておけばよいのですか。
A
  • マスやいわなの養殖でミズカビ病対策として銅繊維を用いています。これは環境汚染で使用出来なくなったマラカイトグリーンの代替として用いています。
  • 銅イオン濃度としては5-10ppb程度なので極少量で様子を見ながら増やして行くことをお奨めします。
    まずは、10円玉を数枚入れて試験して見てはいかがでしょうか。
Q21
二酸化炭素ボンベを装着し化粧水を吹きかけるタイプの炭酸ミストを使用しています。部品は真鍮です。しばらく放置すると噴射口から緑青の色の液体が出ます。(化粧水は精製水にビタミンCです。)真鍮のサビかと思われるのですが、そのまま、肌に塗布されてもお肌への悪影響はないでしょうか。
A
  • 恐らく真鍮から溶出した銅イオンと化粧水に含まれる何かの成分との化合物と考えます。
  • 銅に関する金属アレルギーの試験ですが、北里大学皮膚科で感受性の強いアトピー性皮膚炎患者に対するパッチテストではすべて陰性でしたので、銅は金属アレルギーを起こす可能性が極めて低いことがわかっています。
  • 従って、肌に対して悪影響はないと考えますが、様子を見て変だなと思ったらすぐに容器を変えることをお奨めします。
  • なお、真鍮製の容器のメリットは銅イオンに抗菌効果があるので、化粧水そのものの腐敗や細菌の増殖を防ぐ点です。
Q22
10円玉を綺麗に洗って水に浸しておくだけで銅イオン水が作れますか。もし出来るなら、傷の手当てに使えますか。銅繊維のカセット内蔵のシャワーヘッドがあるのは知っているのですが結構な値段なので、10円玉が有効ならこっちが手軽かな、と思い問い合わせしてみました。
A
  • 銅のMRSAに対する抗菌効果は、接触面でより発揮できます。従って院内のドアハンドル、ベッド柵、手すり等を銅合金製にする活動をしています。
  • 銅イオン水は確かに水道水よりは細菌を減らす効果が期待出来ますが、消毒薬ではありませんので、アルコール等にはとても及びません。
  • 従って患部の除菌に関しては、お医者様にご相談することをお奨めします。
Q23
銅イオンの件でお伺いしたいと思います。バスルーム設置後からの状況です。発生の状況として浴槽に付着ではなく浴槽内に浮遊して(溶かした和紙のような)いる場合も、銅イオンと考えられますでしょうか。
A
  • 溶かした和紙のようなものは、銅の反応生成物とは考えにくいです。バイオフィルムなどが可能性として最も高いと考えます。
  • 追い炊き配管に長い間に付いたものが剥がれ浴槽に流入したのでは…等が推測されます。更新後からであれば配管も更新しましたか。更新した配管のフラッシングはしましたか。その辺をチエックください。
Q24
台所の排水溝に3枚ほど10円玉を置いておくと排水溝のヌメリがつきにくくなるとインターネットなどに書かれているのですが、こちらの情報は正しいのでしょうか。またそのような実験や検証などはされているのでしょうか。
A
  • 銅製の流しのバスケットは、ぬめりが付かないことが既に消費者の皆様に認められています。これは、銅による抗菌効果でぬめりの元になる雑菌などを減らしてバイオフィルムの形成を防ぐからです。
  • ステンレス製のバスケットに10円玉を入れて同様の効果が得られるかというご質問ですが、ある程度は期待できると考えます。
  • 大事なのは、ご自分で試してみるという姿勢です。この試験は30円あればできるわけですので、ぜひトライしてみてください。効きが悪ければ5枚にしたらどうかと発展させればいいのではないでしょうか。
Q25
ボウフラへの銅イオン効果に興味を持ち試してみようと思います。水槽内に銅を投入し、銅イオンが発生した場合、排水設備であるポンプ設備に電食の影響はないのでしょうか。配管は鋳物性、フランジ接続部にはステンレス製のボルト、ナットを使用しております。
A
  • 電食(異種金属接触腐食)に関しては、この場合は心配ないと考えます。
  • 恐らく対象は、チカイエカだと思いますが、銅繊維、黄銅繊維を用いた試験では効果が高いとの結果が得られています。
  • 表面積を稼げる繊維状のものをお奨めします。
Q26
住宅の池に蚊と藻の発生を抑えるため、銅を入れようと検討しております。池のサイズは、1.7m×4.6m×深さ0.2m程度ですが、銅の効用や、必要なサイズ等を教えてください。
A
黄銅繊維を投入することで、藻(アオコ)の発生を抑えることができると考えます。蚊の防除についても実験によればボウフラが羽化できないという事象が生じますので期待できます。1tあたり黄銅繊維300g程度投入すれば効果があるので、このケースでは1.564m3x300=500g程度で十分と考えます。
Q27
  • 現在、弊社工場で使用する水を抗菌・浄化できないかと模索しております。その際、水を入れた槽内に銅板、あるいは黄銅板のどちらかを入れて抗菌・浄化を試みてみようと思うのですが、この場合より高い抗菌・浄化効果があるのはどちらになるのでしょうか。
  • また銅イオンが発生する事が、抗菌・浄化効果に繋がっているという認識なのですが、その認識で正しいのでしょうか。
  • また、昨今では養殖生簀などに銅の素材を使用し、藻が付くのを防いだり、寄生虫の発生を抑えたりする製品が販売されております。銅製の養殖の生簀を使用した場合、銅が持つ抗菌作用が強すぎて、魚を殺してしまうなどという事などはあり得るのでしょうか。
A
  • 銅、黄銅及び投入量については、実験室レベルで多くのケースを試してみて適材適量を探るべきと考えます。
  • Cu→Cu+→Cu2+に伴い、H2O→H2O2→OH・+OH-ヒドラオキシラジカルが強い抗菌効果を発揮するというのが当該メカニズムとして使われています。
  • 銅イオンに弱い魚(鯉、メダカ、鮎など)もいますので濃度管理に十分な注意が必要です。
Q28
銅+水にて銅イオンが発生するとの事ですが、ドライ時には抗菌効果があるのかを教えてください。
A
  • 銅合金は接触面で優れた抗菌作用を発揮します。(湿度及び手の汗が関与していると考えられています。)MRSAやO157などの細菌を2時間で1/1000以下にすることを米国環境保護庁(EPA)が認めています。
  • これを利用し、ベッド柵、点滴スタンド、ドアハンドル、ナースコールボタン、キーボードなどが銅製で商品化されています。
Q29
リン脱酸銅C1220P この製品を使って、パンを焼きたいのですが、健康被害の恐れはありませんか。
A
全くご心配ありません。銅鍋、銅製フライパンなど調理に昔から多く使用されてきていますので大丈夫です。
類似する用途では、クッキーの型が銅製です。
なお、銅はチョコレートなどにも多く含まれ、栄養機能食品にもなっています。本ウェブサイトを参照願います。
Q30
銀も銅と同じ効果があるとよく効きますが、その違い等があれば教えていただけないでしょうか。銀は銀イオンになって効果があると聞きますが、そうなんでしょうか。また、銀は高価なものなので、材料としては普及が難しいものと思われるのですが、そういった意味でも材料に使うのは「銅」が一般的なんでしょうか。
A
  • 銀と銅を比較すると環境表面での抗菌性能で言えば銅の方が高い効果を示します。銀は体温(37℃)程度での効きは優れますが、標準温度(25℃)以下での効きはかなり劣ります。銅はあまり温度に左右されず常に2時間で1000分の1以下までMRSA、O-157、緑膿菌を殺す働きがあります。
  • 銀は高価なので環境表面には普通使われず、イオンという形で制汗剤などに添加されていますが、これは体温での使用なので効果あると思います。
  • 銅の場合銅を60%以上含む合金は全て1.で書きました抗菌性能がありますので、ドアハンドルなど接触感染に繋がる部分でこれを採用する効果は大きいと考えます。