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銅に関するQ&A銅について知る

製品・施工・加工・表面処理

Q1
温水器の湯配管で15.88の保温銅管を使うのですが、水配管と空調冷媒の銅管は同じですか。それともどう違うのか教えてください。
A
外径15.88についていえば、違いは肉厚のみです。当然冷媒の方が高圧なので、給水給湯で0.71tに対し冷媒では1.0tとなっています。細かいことをいえば、呼称やそれぞれ特有のサイズがありますのでメーカーカタログ等をチェック願います。
Q2
国土交通省の機械設備共通仕様書(監理指針)によると冷媒配管用銅管はJIS H3300:2018(銅及び銅合金の継目無管)の無酸素銅管(C1020)、りん脱酸銅管(C1201もしくはC1220)による銅管であり、質別はO、OL、1/2H、Hとする。とあり質別、基準外径ごとの最小肉厚が規定されております。以下の点について教えてください。
  • 質別とは何ですか。
  • 国土交通省が規定する製品が製造されているのでしょうか。されているとすればメーカー商標等。
A
  • 質別は、やわらかさとお考えください。なましの程度によってグレード分けされます。O材は、手曲げが可能です。但し強度が落ちるので肉厚を厚くする必要があります。H材は、曲げ加工できません。強度はありますので肉厚は薄くできます。1/2HはO材とH材の中間です。
  • 基本的にすべて製造されています。銅管メーカー:コベルコマテリマル銅管、NJT銅管および因幡電工、オーケー機材のように被覆冷媒銅管を加工しているメーカーにお問合せ願います。
Q3
給湯機取替の際に、既設の亜鉛引き鋼管と銅パイプとを接続する際に注意すべき点を教えてください。
A
  • 異種金属接触腐食が起きないよう気を付けます。
  • この要因は、電位差が大であること、電気を通しやすい液体が存在すること、溶存酸素があることです。
  • これらの内一つを絶てば、基本的にこの腐食を防ぐことができます。
  • 鋼管と銅管を直接ねじ込みで接続した場合、鋼管側のねじ部がやられてやせていきます。
  • 最も安全な対策としては、絶縁継手を使用することです。
  • 一般的なやり方として砲金製のバルブを挟むケースが見られます。この方法は電位差を2段階で和らげていると思いますが、効果については貴社等の実績でお調べ願います。
Q4
1/2 銅管をベンダー加工して曲げた場合に、時々シワがよります。2.9MPaの内圧が掛かりますが、強度は大丈夫でしょうか。
A
  • 肉厚の記述がありませんので正確なことは言えませんが、冷媒用の銅管だと思いますので圧力的には問題ないと考えます。確認するのであれば、曲げを考慮した管の最小肉厚の式(内面に圧力を受ける場合)…冷凍保安規則関係例示基準23.6.4をお使いください。
  • 曲げで生じたシワで恐いのは、流体温度の変化による伸縮がこの部分に集中し、長い間に疲労割れが生じ漏洩トラブルを起こす可能性があることです。
  • 従って、曲げ加工でシワが出来た場合、再製作が望ましいと考えます。シワができる原因(例えば、ベンダーのコマのサイズが合っていない等)を把握して起きない工夫をすることが大事と考えます。
Q5
既設の温水器から直径15mm(1.0t)の銅管がでており、その管端には15mm銅管用のユニオンがあります。この配管に被覆銅管を接続したいと思うのですが、現在販売されている製品には、直径15.88mmのものしか見つかりません。この管端のユニオン継手を取り外しても構わないのですが、要するに15mmと15.88mmの銅管を接合するにはどのような方法があるでしょうか。
A
  • 形(かた)違いソケット(15x15.88)で接続する事が出来ます。
    問合せ先:NJT銅管株式会社 052-652-3221へ。
Q6
JIS規格の C6802 銅材の性質表を入手したいのですが、ありますか。
A
  • C6802は、JCBA T204:鉛レス快削黄銅棒(日本伸銅協会規格)に規定されています。 規格の中に性質も記載されていますので、以下をクリックしてご覧願います。
Q7
子供たちが自由研究で10円玉とコーラの関係について調べております。10円玉がなぜコーラの酸によってきれいになるのか教えてください。
A
  • ご質問に書かれている通り、コーラの炭酸によって銅表面がきれいになります。
  • 銅表面は容易に空気中の酸素と反応して、亜酸化銅を作ります。これは、古い10円玉が暗褐色を呈している状態です。
  • 亜酸化銅は、酸により還元され、純銅の状態になりますので、きれいな銅そのものの色が現われるわけです。
  • この反応は、レモン汁やお酢、ソース、タバスコなどの酸性の液では同様に見られます。
Q8
  • りん銅ろうによる銅配管どうしの自動ろう付で、りん銅ろうのぬれ性を阻害する要因を教えてください。(温度条件は問題ないことを確認済みです。)
  • ろう付部の洩れ不良発生が5月から8月に集中しやすい傾向が3年から4年続いていますが、何か原因が推測できますか。
A
自動ろう付機のバーナーが固定式でしょうか。人手によるろう付のようにバーナーのゆらしがない固定式ならば、バーナーの強さ、当てる時間を朝、昼、夜の3回、 調整する必要があります。また、バーナーどうしの炎の干渉も注意する必要があります。5月から8月に漏れ不良が多いのは、朝、昼、夜の気温・湿度差が大きいことが要因の一つと推察されます。経験からですが、目視で清浄に見える銅管の場合、付着油や 酸化膜を疑って調査した事例、すべてが加熱不足(温度ムラ含む)でした。
Q9
最近、銅鍋が水道水の残留塩素を分解するという記述がウェブにあふれています。本当なのでしょうか。還元力なら,もっと安物の金属のほうが優れているように思えるのですが…。
A
  • 銅は塩素と化合し易いため、塩素の吸着材として利用されています。
  • 例えば、シャワーヘッドに銅繊維を入れて塩素を取り除き肌に優しいお湯にする、などです。なお繊維にするのは表面積を稼ぐためです。
  • 銅鍋は、内面に錫をメッキしているので煮沸による揮散の反応の可能性もあると考えます。塩素除去機能を利用するのであれば、繊維状の銅や黄銅を使うことをお進めします。
Q10
冷媒配管(管径28.6)の配管が、曲げ部(内側)が波状になり筋状の傷が確認されました。今後使用していく上で心配な事はありますか。冷媒はR-410Aで、高圧・低圧共に冷媒が流れる部分です。
A
  • これは、曲げ加工時のシワと考えます。
  • 冷熱繰り返しによって伸縮しようとする力が働き、この部分に応力が集中する危険性があります。その場合、疲労割れが懸念されます。
  • 従って、施工マニュアルなどで曲げ加工ではシワを作らないよう注意喚起している次第です。
Q11
施工時のフラックスの影響によっても緑青が発生する場合、緑青は施工不良を意味するのでしょうか。正しい施工に於いてもフラックスの影響によって緑青が発生するものなのでしょうか。施工不良による場合、どのような不良が考えられるでしょうか。ろう付温度でしょうか。正しい施工に於いても発生する場合、フラックスの成分や温度によって発生する場合があるのでしょうか。
A
  • フラックスは強酸で、施工時に付着したままだと銅と反応して緑青色の生成物を作ります。
  • マニュアルでは、管内面に残ったフラックスはフラッシングで、外面は冷却を兼ねて濡れたウェスで拭きとり、出来るだけ除去するよう指導しています。これは、フラックスが残っていて銅管を腐食させ漏水事故に至った事例があり、これを避けるためです。
Q12
現在、銅管を用いた高圧の水を流すための配管を考えています。高耐圧の継手を調べたところ、銅管用の継手として黄銅製の物や青銅製の物が見つかりました。そこで質問なのですが、銅製ではなく黄銅製や青銅製の継手を用いた場合、何か不具合がありますか。例えば、「緑青が発生しやすい」等あれば教えてください。
A
  • 銅管に青銅製継手(特に弁)を付けるのは極普通の組み合わせでまったく問題ありません。電位も近く異種金属接触腐食を起こす可能性もないと考えます。
  • 黄銅の場合、水を通すので1つは脱亜鉛腐食の可能性があります。また、銅と黄銅では青銅の場合より電位の差が大きくなり異種金属接触腐食の危険性が増します。 従って、青銅品を選定することをお勧めします。
Q13
現在、リン脱酸銅をバルブの配管として使用していますが、保管の日数経過により変色現象が発生します。この変色もばらつきがあり発生ないものもあります。変色は、銅の酸化によるものと考えていますが、発生防止と進行防止策について何かアドバイスがあれば教えてください。
A
  • 銅管メーカーでは、変色防止剤として製造工程の中でベンゾトリアゾールを使用しています。
  • 簡易なスプレータイプの変色防止剤としては(株)トウペのトアインクララックが一般的です。