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銅に関するQ&A銅について知る

耐食性・耐久性 4

Q41
リン青銅と純銅の耐食性について比較した場合、どのような違いがあるでしょうか。リン青銅の方が耐食性が高いでしょうか。インフラ関係に使用する上で、重要な点となりますので、ご教示頂けましたら誠に幸いで御座います。また、1.銅及び銅合金の耐薬品性に関する資料の中で、(湿性)という言葉が出てきますが、これはどのような状態でしょうか。
A
  • 純銅は導電性に優れる。リン青銅は耐摩耗性に優れる。など用途に応じた特長を有しています。
  • 耐食に関しては、貴職がご覧になっている表の通りで、相手によって純銅がスコアーが高かったり、リン青銅が高かったりします。従って露出する可能性のある物質で両者を比較チェックください。
    「伸銅品データブック」P123-128 日本伸銅協会 (837KB)
  • 2.の表の乾性、湿性ですが、乾性は全く水分のない状態で湿性は空気中の水分も含み少しでも水分のある状態と考えます。
Q42
はんだ付け部の不具合について教えてください。製品部品のはんだ付け部が腐食するメカニズムを究明しております。腐食部を分析すると塩素が検出されます。海に近い場所では無く、内陸部で発生します。なぜ、はんだ付け部の銅リード線が塩素腐食するのでしょうか。知見をお持ちであれば教えてください。フラックス要因ではないです。部品周辺から塩素が微量検出されます。
A
  • 貴職は否定されましたが、最も疑わしいのはフラックスです。銅管の場合もそうですが、接合部での腐食の大半はフラックスに起因しています。フラックスは強酸で塩化亜鉛、塩化アンモニア系です。従って、腐食も塩素の存在もこれで説明付くのですが…。
  • 後、考えられるのは上水からの残留塩素です。
Q43
マンションの床埋設給湯管(銅管)で孔食により漏水事故が起こるため、何か対策はないか教えてください。
A
  • 孔食という見解が正しいのであれば、今からの対策はとても難しいと考えます。
  • モルタルなどへの埋設配管で見られる事故事例は、拘束されて伸縮できず立ち上がり部などで疲労割れを起こす例です。この場合であれば、自由に伸縮できるようなスペースを作ってあげることですが…。
  • 埋設配管の漏洩による改修工事は、はつりなどが必要で非常に大変です。
一般的には別配管を露出で布設して漏洩配管は殺してしまうやり方で対応すると考えます。
Q44
築30年超の1,000戸の団地で給湯用銅管の更新を考えています。孔食も潰食も起きるとすれば5年から10年で起こり、それ以降は起こらないとの資料があれば教えてください。
A
  • 2年ほど前までは、10年以上健全であれば同じ条件でお使い頂ければ半永久的に持つだろうとお答えしてきました。基本的にはこの方針で問題ないと考えています。
  • 但し最近30年以上使用した銅管からの漏洩事例がいくつか散見され、必ずしも安全とは言えない(絶対ではない)と認識しています。
従いまして、本件に関しては、設備業者の判断に委ねた方がいいのではと考えます。
Q45
冷却水配管に銅パイプを使用しています。誤ってpH2の水を48時間程度流してしまいました。
  • 早急に対応が必要でしょうか。
  • 将来的には交換したほうがよいでしょうか。
    材質:C1220T
    外径:9.52mm
    肉厚:1.2mm
A
  • 強い酸でもすぐに漏洩に至ることはないと考えます。但し、酸が残って腐食媒になるケースがありますので水でよくフラッシングすることが大事です。
  • フラッシングすれば従来と同じ程度の寿命は期待できると考えます。
Q46
シンジン青銅CAC804製の水道メーターに、ステンレス(SUS304,SUS316)配管を接続する場合、絶縁処理は必要でしょうか。銅や青銅は電位差が小さく不要であると認識してますが、CAC804は亜鉛が20%と青銅にしては多く、黄銅に近いと感じます。一般的に絶縁しているのでしょうか。
A
シルジン青銅とSUSとの異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)について、自然電位差は0.2V以内と小さく直接接続しても問題ないとの研究報告があります。
材料と環境:第59巻、P43-49(2010)東京理科大学板垣ら
以上より絶縁は不要と考えます。
Q47
砲金製(CAC406)の部材に黄銅製部材を接続しても腐食は発生しないものなのでしょうか。具体的な例を挙げますと、砲金製の給水、給湯用ヘッダにプラグとして黄銅製プラグ(真鍮、または脱亜鉛黄銅)を用いても腐食は発生しないものでしょうか。ステンレスへの接続の場合は砲金製ならばほぼ問題がないととらえており、黄銅製に関しては脱亜鉛黄銅であれば可とし、真鍮はNGとしております。感覚的に青銅と黄銅であれば電位差はあまりないと判断して、異種金属接合における腐食はないと判断してよろしいでしょうか。
A
Q48
冷媒配管を溶接する場合、窒素封入にて行うことが原則ですが、どうしてもやむを得ない場合、アルコールレスの酸化防止剤を使用して施工するケースも見受けられます。そこで、「トーヨークリーンカッパー」以外で、アルコールが混入していない酸化防止剤メーカーをご存知でしたら、教えてください。
A
  • ろう付時の酸化防止剤に関しては蟻の巣状腐食トラブルが生じた段階で、メーカーを当方に集め対策を徹底しました。
  • 恐らくそれを受けて同種の製品すべてが安全なものに変わっていると考えます。
  • 安全を期す意味でネット等で製品を探し、そのメーカーに確認することをお薦めします。
Q49
10か月前に購入した冷蔵庫が故障したためメーカー修理を依頼したところ、銅管が黒く変色し穴が開き冷媒ガスが抜けたためとのことでした。腐食性ガスの影響と言われましたが、温泉地でも塩害地でもなくごく普通の家庭で家の中で使用している銅管がそのようになることはありますか。浄化槽を使用、隣が印刷工場。前の冷蔵庫は10年以上問題ありませんでした。
A
  • 一般家庭でこのような冷蔵庫の漏洩トラブルは非常に稀です。
  • 現象的には、お寿司屋さんでの酢による腐食、厨房設備での排水系統からの硫化物による腐食等の事例と同様と考えます。
  • 一般家庭では考えにくいのですが、酢を床に零し冷蔵庫下に溜まってしまったとか、ごきぶり退治用スプレーなどに銅管腐食媒があったかなどが想定されます。
いずれにしてもなんらかの腐食媒が存在して生じた可能性が高いので再度起ることが懸念されます。この点を考慮し、設置場所など十分にご検討願います。
Q50
ビル用空調機で使用している冷媒配管(銅管)の耐用年数を教えてください。
A
BELCA(ロングライフビル推進協会)の報告書では、銅管(冷媒管)耐用年数は30年となっています。